Japan Association for Medical Informatics

[3-A-1-CS2-4] 地域包括ケアにおける「包括」と「統合」

宇田 淳 (滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科 医療安全管理学専攻)

高齢者が自分らしく、生きがいをもって住み慣れた地域で生活できる環境づくりへの関心が高まっている。地域住民が集まれる「場」づくりや、健康増進活動など、地域が一体となって高齢者が暮らしやすい環境を作り、多様化する高齢者ニーズへの対応(健康増進、いきがいづくり、生活の質向上)を目指している。しかしながら、医療、介護に関する負担を地域全体で担う場合、そのリソースは無限ではなく、地域リソースの把握と最適な配分により、持続可能な地域包括ケアシステムの安定運用と働き方改革を支援する業務効率化の実現が望まれる。
診療、介護情報を地域で共有することで、効率的で安全な医療提供が可能になり、救急時や在宅復帰後の医療サービスの質を向上する必要が望まれ、地域の中で患者を中心に施設間を連携するネットワークを構築される地域完結型医療を目指している。
住民のケア情報を簡単、正確に多職種で共有することができるようになり、高齢者が住み慣れた地域で、安心して暮らせようサポートすることで、専門性の異なる様々な職種が参加する在宅医療・介護の現場においての多職種間のスムーズな情報連携により在宅医療・介護サービスの質の向上を目指している。さらに、自治体・医療・介護システム領域において、セキュリティを担保しながら必要な情報を必要なときに取り出せるICTネットワークシステムが必要とされる。さらに、さまざまな場所に点在する健康に関する情報をセキュリティで守りながら、医療・介護連携ネットワークの構築による、在宅における切れ目のない医療・介護サービスの提供と質の向上、多職種連携や在宅ケア、見守りに関する支援システムなどが求められる。
ここでは、安全性と利便性を両立する医療情報の共有の実現、在宅医療の現場でICTを活用した多職種間のタイムリーな医療情報の共有、さらに業務の効率化について、情報活用による「包括」と「統合」について、照会する。