Japan Association for Medical Informatics

[3-B-1-PS5-2] 医療現場における標準化コードの利活用とその可能性

田中 聖人 (京都第二赤十字病院)

精確な医療行為の記録、保存、そして医療安全を目的としてデータのトラッキングやトレースを行うことが注目されている。そのためには、統一され、標準化された識別対象が重要となる。医療現場に限らず現在ではGS-1 128 コードが標準化されたものとして、医療現場にも提供されている。しかしながら実際の臨床現場での利活用には限界が存在するのも事実である。今回は当院での標準化コードを用いた取り組を概説する。
当院では医薬品のGS-1 コードを用いて、医療材料の管理を施行している。具体的には受発注や納品などの調度管理に加えて、手術室を始めとした高額医療材料を用いる部署において、GS-1コードを読み込み、詳細な消費管理に役立てている。また病棟や薬剤部では混注時の現品確認を行っている。すなわち医師のオーダに従って、調剤された個別の薬品を混注を行う際に、薬剤本体にマーキングされたGS-1コードを用いて、混注すべき材料に間違いがないかの確認を行っている。
この様な取り組みによってデータを集積し精確なデータ解析を行いうるようになるとともに、医療安全施策の一つとして、薬品の誤用回避に役立てている。
市場では現在ほとんどの医療で使用物品にGS-1コードが貼付されるようになった。さらに非常にシンプルにバーコードリーダなどを用いた簡便な読み込みによって、精確なデータが集積される仕組みも多く開発されている。一方で個品認証には応用可能な方法論が開示されているが、GS-1コードで表現される有効期限やロット番号、シリアル番号の利用にはまだまだ広がりがあるとは言えない状況であり、今後さらに標準化コードの有用性を広く認識し、応用する努力が必要と考えれられる。