Japan Association for Medical Informatics

[3-B-1-PS5-5] 病院情報システムにおけるGS1活用

石井 貴広, 藤岡 博, 原 竜二 (NECソリューションイノベータ株式会社)

■背景
院内物流においては病院独自ラベルを発行しそのラベルを用いた在庫管理
診療現場での実施入力を行っている施設は多くラベル発行作業や貼付作業
に伴い購買部門での作業負荷は高い。
また貼付間違いによる物品取扱いミスも発生する可能性がある。
医療安全面においては医療材料の払出、消費のトレーサビリティを可能とし
医療の安全と質の向上を図っていく必要がある。
今回国立国際医療研究センターと日本電気株式会社で医療の安全と効率
効果的な物品管理を実装したシステム開発を行った。

■機能概要
GS-1を利用した物品管理および電子カルテシステムの開発

1)医療の安全と質の向上を目的としたGS-1の利用によりロットNo、有効
期限在庫管理を実装する
また電子カルテでの消費情報においてもロット情報を保有しロットNoから
消費患者を把握できるようにする

2)作業効率の向上としてGS-1を利用した物流、電子カルテ、医事と画一
的なシステム連携運用を構築する

■結果
GS-1を利用することで院内独自ラベル発行、貼付作業とラベル紙に対する
ランニングコストを排除した。
電子カルテでのGS-1読込による実施入力により医事への会計連動を可能とし
院内物品管理をGS-1で画一したシステム運用を実装した。

一方ロット管理を行うことで納品払出時に一品毎のGS-1読込が必要となり
在庫管理ではロット別棚卸となり、数万点を扱う病院での運用は非常に
煩雑化する。

電子カルテでは実施入力時にGS-1が読込めない事象が発生しGS-1が変更
する度にそのコードのメンテナンスに遅れが発生し、またGS-1以外の印字
コードに対する読み間違いもあった。

■考察
本開発によりGS-1を院内共通コードとして利用し院内独自ラベルに係る作業
負荷を排除できると考えられる。一方でマスタメンテナンスやバーコード
読込におけるシステム運用面での問題点を整理し今後更なる医療安全と作業
の効率化を図っていく必要がある。