一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-2-PS10-5] 急性期医療における構造化看護計画・記録の導入プロセスと運用モデル

高木 智美 (聖隷佐倉市民病院)

A病院は、304床の急性期病院であり、2018年1月に電子カルテシステムを導入予定である。導入時には、A病院の看護記録に関する課題である1.患者の状態変化が看護記録からは見えない、2.看護計画と実践が連動していない、3.記録に多くの時間を要する、4.数量データとして活用できないの4つの課題を解決するために、現在のPOS中心の記録から構造化看護計画・記録に変更することを決定した。具体的には、患者の状況を科学的・客観的に把握するために、標準用語の導入、看護ナビゲーションシステムの導入、PCAPSの導入を予定している。導入準備としてこれまでに1.研究者や先行病院等よりの情報収集、2.コアチームを中心とした組織化、3.構造化看護計画・記録導入についての周知と教育、4.治療ガイドラインごとの看護観察とケア介入の抽出、5.電子カルテの運用モデルの検討などを行ってきた。まず、先行病院の見学により情報収集を行い、コアチームを作った。また、病院全体からの協力を得るために病院幹部や診療部のへの働きかけを行いながら病院としての組織化も行った。看護ナビゲーションシステムとPCAPSの理解と周知のためには、会議等での情報伝達や看護役職者にて治療ガイドラインと臨床プロセスチャートを作成する研修を行ってきた。治療ガイドラインには、医師から協力を得られたため、疾患の俯瞰図としての臨床プロセスチャート、看護観察やケア介入を記載することにした。今後は、作成した治療ガイドラインと既に標準化されている看護ナビゲーションシステムやPCAPSとを比較した上で、当院の電子カルテ上にシステムを構築していく。電子カルテの運用モデルは、メーカーの基本パーケージを利用して設計している。今回は、これらの導入プロセスと運用モデルについて述べる。