Japan Association for Medical Informatics

[3-B-2-PS10-8] 在宅医療における訪問看護の質マネジメント

佐野 けさ美 (東京大学)

訪問看護の質マネジメントの1つは、訪問看護サービスの質、もう一方は事業運営の質である。そもそも、経営・運営が安定しなければサービスは提供できない。事業の運営・経営と看護サービス双方の質を保証するためには、訪問看護の人員の確保と従業者への教育は欠かせない。その意味で法令遵守は事業運営とサービスの質保証を担保するための最低限の保障といえる。しかし超高齢社会を迎え、認知機能の低下を伴う急性期を脱したばかりの高齢者や独居、認々介護問題や経済困窮者などの複合課題を持つ生活支援など課題は尽きない。「在宅医療における」訪問看護師の優先すべき役割は生活継続のための「安全」の確保である。患者状態に適した訪問看護師の観察→アセスメント→計画→ケア提供→再考察(評価)のPDCAサイクルが実践される必要があり、個々の患者に良循環の影響を及ぼすことができるようマネジメントすることが重要である。
訪問看護の軌跡や効果は利用した利用者や家族の「記憶」として残る。我々専門職である訪問看護師は、その軌跡と効果を「適正な記録」として残す。サービスを応需する利用者側に見せることができない、理解しにくいサービスであるからこそ、その効果や適性性などの質の良さを「記録によって」示すことが訪問看護の品質を明らかにできる。ためその研究成果について発表する。