Japan Association for Medical Informatics

[LS-7] コストデータをいかに現場に伝えられるか? ―物流システムによる見える化の可能性―

平木 秀輔 (京都大学医学部附属病院 医療情報企画部)

 医療現場においては、ヒトとモノという資源を投入して患者さんに価値を提供している。その価値を最大化するために、個々の事例においてどの程度の資源を投入し、どの程度の価値を創出することができたのかを適切に把握することが重要となる。しかし、従前は人的・物的資源の投入量を適時かつ納得性をもって把握することは難しかった。前者は未だ難しさは残るものの、後者は昨今の情報システムの進化によってリアルタイムに近い情報把握が可能になりつつある。これらのデータは、経営層の意思決定のみならず現場の課題抽出にも利用できると考えられる。すなわち、創出価値量(診療報酬)とそれに紐づくコストデータを納得性の高い形で提供することで、現場における改善活動の一助になりうる。今回は、物流システムを用いて医療情報部門からどのような情報を提供することができるかについて検討する。