Japan Association for Medical Informatics

[3-D-1-PS7-3] 心臓カテ経過記録、アンギオ記録、救命救急外来の電子カルテ記載内容と請求情報の比較分析

岡垣 篤彦 (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)

日常の診療において、処置を矢継ぎ早に行ない、その内容を記録するような業務が存在する。心臓カテーテル検査、アンギオ検査、三次救急外来などがその典型である。通常の電子カルテでは入力速度が遅いため、このような業務の記録を行なうのは困難であり、多くの病院で紙に手書きで記載し、後でスキャンして電子カルテに取り込む運用が行われていると思われる。業務が生命予後に直結することが多く記載内容の重要性が高いにも関わらず、手書き文字では読み取りが困難であるなど、診療の履歴を閲覧する上で不便であり、さらに手書きの速度でも処置行為に追いつかず記載漏れが発生する。また、このような業務では一つ一つの処置行為や機材が高額であることが多く、診療現場でどのような行為が行なわれているか分析したいというニーズも存在する。大阪医療センターでは電子カルテの入力を容易にし、閲覧製を向上させる目的でファイルメーカープロで作成した入力画面を富士通製病院情報システムであるEGMainEXに接続した電子カルテを運用してきたが、この仕組みを用いて高速入力用のテンプレートを作成し救命救急外来の経過記録として実装し、2014年より運用を開始した。この仕組みでは処置行為を高速に入力できるほか、入力するとそれに付随した処置伝票が自動的に生成され、さらに使用した薬剤も自動的に請求される。診療行為、処置請求、使用薬剤はデジタルデータとして保存されており、後利用が可能である。救命救急外来と同様の仕組みを心臓カテーテル検査、アンギオ検査、病棟緊急呼び出し(ブルーコール)に関しても拡張して使用している。これらのデータを分析し、今後の診療に有用な所見を取得することが可能かどうか検証した。