Japan Association for Medical Informatics

[3-D-2-OP19-1] 応援看護師がベッドサイドで必要とする患者情報

岩﨑 真由美1, 高橋 典子1, 真嶋 由貴恵2, 草場 奈緒3, 澤井 真理3, 松崎 安希子4, 渡邊 千代子4, 上野山 恵子5, 渡邊 めぐみ5, 山崎 清一6 (1.市立池田病院, 2.大阪府立大学, 3.JCHO大阪病院, 4.松下記念病院, 5.大阪医科大学付属病院, 6.株式会社ケア環境研究所)

【目的】多くの病院では、突発的な看護師の欠員や病棟ごとの医療・看護必要度の違いなどによる業務の平準化を図るために、応援看護師制を導入している。
応援看護師は入院患者個々にとって速やかな判断が要求される排泄行為など「待てない行為」の介助や看護処置を依頼する現状がある。しかしながら自ら情報を得るための時間や簡便かつ迅速に理解可能な情報収集源は少なく、口頭のみの情報提供が多い。
本研究では、患者の安全と質を担保するために、応援看護師がベッドサイドで必要な患者情報を明らかにすることを目的とする。
【方法】関西地区4つの急性期病院の病棟業務看護師(主任職相当)、教育研究機関の研究者、及び民間研究機関の研究者で構成するワーキンググループを設置し、応援看護師としての実働経験を元に、施設毎に応援看護師の運用方法・患者に関わる業務内容を調査し、それらの業務別に必要な情報を検討した。その上で共通する情報項目を更に整理し、優先度の高い共通情報項目を応援看護師がベッドサイドで必要とする患者情報として選定した。期間は平成27年8月~平成29年1月。
【結果】応援看護師の患者に係わる業務内容は、食事介助、トイレ介助、不穏行動のある患者への対応、体位変換、採血、搬送、清拭、足浴・手浴、洗髪、陰洗、シャワー介助、介助入浴・機械入浴、口腔ケア、モーニングケア・イブニングケアの14業務であり、安全に業務を遂行するために必要な情報は業務別では214項目に及んだ。
この業務別必要情報項目を共通情報項目で整理した結果、移動方法、ギャッジアップ制限、義歯、嚥下機能の状態、弱視・盲目、難聴、感染症の有無、せん妄・認知症、食事介助、排泄介助、禁止事項の11項目に選定できた。
【結論】応援看護師がベッドサイドで必要な患者情報を具体的に11項目に絞り込むことができた。今後は情報収集の方法を検討し、臨床で活用して、その効果を評価検証する予定である。