一般社団法人 日本医療情報学会

[3-D-2-OP19-2] バイタルデータターミナル(VDT:Vital Date Terminal)利用状況の評価

疋田 智子1, 藤田 健一郎2, 竹村 匡正2, 黒田 知宏1 (1.京都大学医学部附属病院, 2.兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科)

【背景】2016年5月A大学病院では病院情報システム更新を機に、バイタルデータターミナル(以下、VDTとする)が一般病棟1005床に設置された。VDTの機能は①VDT-IDを持った看護職員の検知、②VDT-IDを持った患者の検知、③NFC通信可能なバイタル測定機器(血圧計、体温計、SPO2測定器、血糖測定器)から測定値データ読込、④③で読込んだバイタルデータを電子カルテに送信、⑤VDTディスプレイでの患者情報表示がある。5月より前述の①③④の機能により、バイタル測定値の発生源入力を開始した。一方、医療の高度化と患者像の変化により、看護師の業務負担が増す中、VDT導入による効果として、バイタルサイン転記記録の業務軽減、転記入力ミスのリスク軽減、正確な測定時間の記録が期待された。しかし、VDTの使用状況は病棟毎に違いがあるように見受けられた。そこで、今回正確な利用状況を把握し、利用促進のための課題を検討することとした。
【目的】VDT導入後の使用状況を明らかにし、使用促進のための課題を明らかにする
【方法】①VDT導入後1年間(2016年5月~2017年4月)の月別、病棟別のバイタルサイン記録(体温、血圧、脈拍)のVDT入力数とテキスト入力数を病院情報システムより抽出し、記述統計で分析した。②VDT使用が進まない原因について聞き取りを行った。
【結論】VDT使用率の月別全病棟平均は2016年5月27.7%、6月41.4%をピークに漸減し、2017年3月は22.8%であった。また、病棟間で差が示され、最大81.7%、最小0%であった。使用しない原因としては診療科特有の理由とVDTの使用感に関する問題が明らかとなった。