Japan Association for Medical Informatics

[3-D-3-OP23-5] 固定打ち、スライディングスケール、カーボカウントに対応したインスリン指示・実施の構築と課題

小田 洋一郎, 田村 遥, 内藤 光二, 内田 義則, 望月 孝俊 (茅ヶ崎市立病院)

【背景】入院患者のインスリン注射にはインシデントが多いが、電子カルテ上での対応はインスリン固定打ちはともかく血糖値によってインスリン量を変動させるスライディングスケールや、血糖値と食事の炭水化物量によってインスリン量を変動させるカーボカウントで遅れた。カーボカウントを含むインスリン指示をRFPに載せたところ電子カルテの標準機能として実装されたのでその経過を報告する。

【方法と結果】インスリン固定打ちとスライディングスケールを先行導入され、遅れてカーボカウント機能が実装された。

《インスリン固定打ち・スライディングスケールの実装》

インスリン固定打ちでは注射タイミング毎に複数の注射薬と量を登録できるようにした。スライディングスケールでは、血糖ラダーの刻みと量を注射タイミング毎に指定できるようにし、実施画面で血糖値を入力すると該当するラダーをハイライト表示させ、注射量を確認できるようにした。

《カーボカウントの仮運用》

カーボカウント指示が完成するまでは、インスリン固定打ちでインスリン量を0単位として登録し、血糖値、炭水化物用からインスリン注射量を計算する時に必要なパラメータと計算式をコメント欄に入力することにした。実施時には血糖値と炭水化物量からコメント欄に記載された式により注射量を求め、実際の注射量を0単位から修正して記録するようにした。

《カーボカウントの実装》

計算に必要なパラメータと計算式を指示できるようにし、実施時には血糖値と炭水化物量を入力すると計算式と計算結果が表示され、確認しながら注射できるようにした。インスリンポンプ患者のベーサル量は、コメント欄にテンプレートを用意して管理した。

【考察】紙カルテからインスリン指示に移行して、インスリンにまつわるインシデントは減った。本発表では、インスリン指示稼動後のインシデントとトラブルシューティング、運用の工夫、課題について報告する。