Japan Association for Medical Informatics

[3-D-3-OP23-6] 外用薬における用法・コメントの指示率に関する多施設実態調査

佐藤 弘康1, 野村 浩子2, 木村 好伸3, 柴崎 淳4, 須鎌 建7, 木下 元一5, 木津 茂6, 山中 理8, 大庭 理寛9, 多喜 和夫10, 荒 義昭11, 舟橋 由香子12, 岡橋 孝侍13, 高田 敦史14 (1.JA北海道厚生連 帯広厚生病院 薬剤部, 2.一般社団法人徳洲会 大阪本部 薬剤部, 3.草加市立病院 薬剤科, 4.北里大学メディカルセンター 薬剤部, 5.名古屋第二赤十字病院 薬剤部, 6.大津赤十字病院 薬剤部, 7.成田赤十字病院 薬剤部, 8.市立大津市民病院 薬剤部, 9.JA神奈川県厚生連 伊勢原協同病院 薬局, 10.日本赤十字社和歌山医療センター 薬剤部, 11.国立病院機構東京医療センター 薬剤部, 12.医療法人恒貴会協和中央病院 薬剤科, 13.京都第二赤十字病院 薬剤部, 14.九州大学病院 メディカル・インフォメーションセンター)

【緒言】日本医療情報学会策定の「標準用法規格」(当初は「標準用法マスタ」)は、投与経路の他、投与タイミングや使用間隔等の詳細な情報まで表現できる仕様となっている。一方、多くの病院情報システム(HIS)では「用法」は1行で表現される仕様であり、「用法」として指示可能な情報量には限界がある。そのため、補足情報については「コメント」として指示されることが多い。また、指示される用法関連情報は医薬品による差異が予想されるが、これまでに明らかとされていない。
 そこで代表的な外用薬について、どのような用法関連情報が指示されているのか、またそれらのHIS上での指示属性(「用法」または「コメント」)について多施設実態調査を行った。
【方法】医療情報技師の資格を有する薬剤師(HIT-Pharmacist)に対して協力を依頼した。対象薬剤は「アンヒバ坐剤」、「フランドルテープ」、「アドエア」、「デルモベート軟膏」、「ヒアレイン点眼液」、「グリセリン浣腸」またはこれらの後発医薬品の7品目とし、各協力施設における2016年5月から12月の8か月間の新規処方について、指示されていた用法関連情報を調査・集計した。
【結果】26施設のデータを解析した結果、「投与経路」は多くの施設で「用法」として高い指示率が確認された。また、定期使用される外用薬については、「1日回数」についても高い指示率であった。一方、吸入薬の「1回量」については約50%の指示率にとどまり、属性についても「用法」と「コメント」が約半数ずつであった。
【考察】「コメント」は標準コードによる連携が困難であるため、重要な情報については2次利用も踏まえ「用法」として指示することが望ましい。また、「用法にすべき重要な情報」も薬剤により異なるため、今後、標準用法規格の運用面での標準化が求められる。