Japan Association for Medical Informatics

[3-E-1-PS8-5] 病棟看護支援デバイスの研究

柴崎 敦 (相模原中央病院)

電子カルテの普及に伴い、看護支援システムも徐々に普及が進んでいる。これに合わせ、看護業務を支援する医療機器デバイスでは、有線や無線LANを用いて電子カルテと繋ぎ、更なる利便性の向上を目指した製品の開発が進んでいる。
デバイスの進歩は、看護業務の効率化と、安全管理上切っても切れない関係になりつつある。双方がリンクする事で、測定器からの自動入力可能となり、改めて入力する時間の削減と、誤った数値の入力問題が回避できるようになった。また、バーコードとスキャナーの活用は、点滴実施等の認証(バーコードによる3点チェック等)や、検査等における患者確認ツールとして活用されており、業務時間の短縮や、安全認証に役立っている。
今後、デバイスの進歩・活用における看護業務の負担軽減の為には、どのような進化が求められるのだろうか。急速な高齢化社会が進む中、患者や家族の年齢層にも変化が見られ、我々看護師もこれに合わせた対応の変化が求められる。デバイス操作の更なる簡素化は、患者や家族への退院支援・指導時間の短縮が期待されるほか、退院後の安全な生活維持にも繋がると考える。また、高齢者も電子端末を使える方が増えており、実用性が高いと思われる。この他にも、認知症患者の離棟・離院問題が、デバイスの進歩と活用により、見守り方が変わってくる可能性がある。患者の尊厳を守りつつ、看護業務へ専念できる出来る事が可能となれば、時間外業務の削減にもなると思われる。
日本看護協会では、様々なライフステージにある看護師が、仕事と生活の両立ができること「ワークライフバランス」を目標に掲げ、人員不足による疲弊問題の改善を目指している。デバイスの活用と進化は、この現状にも貢献できるツールになり得ると考える。