Japan Association for Medical Informatics

[3-E-2-JS6-1] MID-NETの使用法と試行結果

木村 通男 (浜松医科大学医学部附属病院医療情報部)

厚生労働省事業「医療情報データベース基盤整備事業」(MID-NET)は、平成28年度に試行を終了し、いよいよ平成30年に実運用が開始される。
試行では5つのテーマが採用された。その内2つについては分析が終了している(2017.8現在)。その一つはコデインの処方実態であり、7拠点には対象期間にコデインを処方された患者は7,267名、うち12歳未満は209名、12-18歳は199名、19歳以上は6,859名であった。この中で、呼吸抑制の発症は、コホート全体では0.2-0.5%、12歳未満では0.0-0.1%であった。
ランマークは低カルシウム血症の発生リスクが発売(2012/4)、添付文書の改訂は2012/7、ブルーレターが2012/10に発せられた。これらの度に、低カルシウム血症の発生が、拠点病院でも低下したことが示された。
MID-NETの主たる目的は、市販後調査である。その目的には、まず新薬について、このシステムが適用されるかどうかが判断され、適用となれば、通常の調査に置き換わる。これら以外のリスクベネフィット調査、単に処方実態などの調査には、市販後調査より安い費用が設定されている。この費用は、厚労省を含む公的機関、薬剤メーカー、アカデミア、すべて同じとなっている。