Japan Association for Medical Informatics

[3-F-1-OP16-2] 心臓植込み型デバイスにおける遠隔モニタリングデータ自動収集システムの構築

渡邉 研人1, 加藤 彩夏1, 石丸 裕美1, 後藤 隼人1, 阿部 祥子1, 丸山 航平1, 御厨 翔太1, 富樫 紀季1, 市川 公夫1, 中井 歩1, 川口 直彦2, 鈴木 篤2, 薄井 宙男2, 高澤 賢次3 (1.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 臨床工学部, 2.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 循環器内科, 3.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 心臓血管外科)

【背景】心臓植込み型デバイス(Cardiovascular Implantable Electronic Devices : CIEDs)の管理には遠隔モニタリングシステム(Remote Monitoring System : RMS)を含めた情報管理体制の構築が必須である。米国不整脈学会は、CIEDs情報の集約が有用であるとして標準規格を用いたシステムの構築を推進している。【目的】Medtronic社、Abbott(SJM)社、Biotronik社、Boston Scientific社は標準規格に準拠したCIEDs情報の出力機能を有している。本研究では、標準規格を利用した自動収集によるCIEDs情報の一元管理システムを開発し、検証することを目的とした。【方法】各社のRMSサーバーからCIEDs情報のダウンロードおよびFileMakerデータベースへの情報入力を自動化したシステムを構築した。また、システム構築前後でのスタッフ8名による情報へのアクセス時間を比較した。統計学的評価にはWilcoxon signed-rank testを用い、p<0.05を有意差ありとした。【結果】標準規格を利用して数値情報およびPDF情報の自動取得が可能であった。情報へのアクセス時間の中央値は246秒(IQR, 202-283)から57秒(IQR, 45-64.5)となり、有意な短縮が認められた(p=0.0117)。【考察】本システムは、メーカー各社の独自システムに散在した情報を一元化することで情報へのアクセス性が向上するだけでなく、自動入力によりデータ誤入力のリスクを低減させ真正性の面でも有用と考える。また、標準規格の利用はシステムの安定性を担保し、継続的なCIEDs情報の自動収集を可能にする。【結語】CIEDs診療をより効果的・効率的に実施するためには、本システムのような情報基盤の普及が必須である。