[3-F-2-JS4-5] 日本循環器学会出力標準フォーマット(SEAMAT)の策定と活用
病院情報システムは互換性が担保されていないため、カルテベンダーに依存しないデータ保存形式として厚生労働省電子的診療情報交換推進事業によるStandardized Structured Medical Information eXchange(SS-MIX)ストレージ形式が定められ、現在はversion2(SS-MIX2)が普及している。2016年度末で630施設余に導入され、災害時用バックアップやデータ活用を目的とした多くの事業が行われている。SS-MIX2ストレージは標準化ストレージと拡張ストレージとに分けられ、前者には標準化対応の進んだ病名や検査値、処方などのデータが格納される。一方、拡張ストレージにはそれ以外のデータが格納されるため、コード化やデータ形式の標準化が不十分であり、データの二次活用は困難な状況となっている。
循環器領域が扱う疾患は、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、弁膜症や心筋症、さらに不整脈など多岐に渡る。診断を下すためには、通常の採血検査やレントゲン写真などの他に、心電図や心臓超音波、心臓カテーテル検査等が必須の検査である。後者の循環器特有な検査は、画像データが主であるが、そこから導き出される計測値も頻用され、その経過を辿ることは実地臨床および臨床研究にとって大変重要である。しかしながら、これらはSS-MIX2拡張ストレージに保存されるため、データ活用のためには標準項目名や単位、形式などを決定する必要があった。そこで、日本循環器学会では2015年度にSS-MIX2拡張ストレージへデータを出力するための標準フォーマットStandard Export datA forMAT(SEAMAT)を策定した。項目選定にあたっては関連学会の協力を得、多くの施設で共通するデータ項目を中心に定められた。既に各企業がSEAMATに対応した製品を商用化しており、複数の施設で導入され始めている。この動きが広がることで循環器疾患特有のデータ蓄積が加速し、臨床研究への活用も容易になることが期待される。さらに、日本循環器学会は過去データの活用やコスト対策のためにcsvファイルからのデータ変換出力プログラムも作成した。
循環器領域が扱う疾患は、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、弁膜症や心筋症、さらに不整脈など多岐に渡る。診断を下すためには、通常の採血検査やレントゲン写真などの他に、心電図や心臓超音波、心臓カテーテル検査等が必須の検査である。後者の循環器特有な検査は、画像データが主であるが、そこから導き出される計測値も頻用され、その経過を辿ることは実地臨床および臨床研究にとって大変重要である。しかしながら、これらはSS-MIX2拡張ストレージに保存されるため、データ活用のためには標準項目名や単位、形式などを決定する必要があった。そこで、日本循環器学会では2015年度にSS-MIX2拡張ストレージへデータを出力するための標準フォーマットStandard Export datA forMAT(SEAMAT)を策定した。項目選定にあたっては関連学会の協力を得、多くの施設で共通するデータ項目を中心に定められた。既に各企業がSEAMATに対応した製品を商用化しており、複数の施設で導入され始めている。この動きが広がることで循環器疾患特有のデータ蓄積が加速し、臨床研究への活用も容易になることが期待される。さらに、日本循環器学会は過去データの活用やコスト対策のためにcsvファイルからのデータ変換出力プログラムも作成した。