Japan Association for Medical Informatics

[3-F-3-OP24-1] 多施設臨床研究データ収集システムにおけるODMの活用事例報告

真鍋 史朗1, 服部 睦2, 武田 理宏1, 中川 彰人1, 岡垣 篤彦3, 松村 泰志1 (1.大阪大学大学院医学系研究科 統合医学講座 医療情報学, 2.株式会社エムケイエス, 3.大阪医療センター)

臨床研究のデータ交換規約としてCDISCよりODM(Operation Data Model)が提唱されている。昨年度、我々は大阪府下9病院でネットワークインフラ基盤を構築し、臨床研究で登録するデータをODMを用いて電子カルテシステムからシームレスに収集・管理するシステムを構築した。ODMは規格化されているものの、実際にそれを使って異なるベンダの電子カルテ上でODMを作成する際には、詳細を取り決める必要がある。
本システムは、CRFの入力フォームを取得し、データを収集するレポーター、病院内で登録されたデータを一時保存するアーカイブ用サーバー、臨床研究用のCRFデータの配信、ODMの収集、スタディおよびユーザ、登録施設の管理機能を有するセンターサーバーから構成される。センターサーバーはNECと大阪大学で開発した。
富士通株式会社の電子カルテを使っている病院では、電子カルテシステムでテンプレート形式のデータ入力を実現するeXChartでレポーターを構築した。eXChartで電子カルテに入力されたデータはマルチレポーターでODMに変換され、バッチ処理で大阪大学のセンターサーバーにデータが送られる。NEC/IBMの病院では株式会社エムケイエスが開発した、動的テンプレート機能とイベント管理機能を持つCDCSレポーターというアプリケーションを用いた。CDCSレポーターで入力されたデータはODMに変換されると同時に電子カルテにも書き込まれる。アーカイブ用サーバーに蓄積されたデータは任意のタイミングでセンターサーバーに送られる。
循環器内科で行われている、10イベントからなる割付のない観察研究を対象としてODMを生成した。これらの異なるシステムから共通のODMでデータを受け付けるため、ODMデータ送信単位や認証方式、文字コード、被験者番号の発番方式、登録者情報の管理、送信プロトコルなど約22項目において調整を行った。その結果、異なるシステムから同じODMでデータを出力し、オンラインでセンターサーバーへのデータ送信・登録が可能となった。