Japan Association for Medical Informatics

[3-F-3-OP24-3] 臨床研究の安全性情報管理を目的としたSS-MIXとCDISC SDTM形式を用いた臨床検査値モニタリングシステムの開発

近藤 修平, 山本 松雄, 堀部 敬三, 齋藤 俊樹 (名古屋医療センター)

【背景】
がん領域の臨床研究において有害事象共通用語規準(CTCAE)を用いて重症度報告がされるが、特に月齢、年齢によって検査値の上限下限が変わる小児領域では検査日時点での月齢・年齢を確認し、CTCAEグレード判定をするという膨大な手間暇がモニタリング作業に発生している。

【目的】
電子カルテ上にある臨床検査値を自動的に安全性情報システムに読み込み、CTCAEグレード判定を行い、一覧表示、Eメール通知を行うシステムを開発する。

【方法】
電子カルテと同一のネットワークにSDTM出力モジュールを導入し、SS-MIXサーバーより読み取った臨床検査値をCDISC標準形式に変換後、ファイヤーウォール越しにインターネット上のAPIサーバー上に構築したSDTMデータベースに書き込みを1日1回行う。安全性情報管理プログラムは定義されたAPIに従ってAPIサーバーにアクセスし、当該症例の臨床検査値を読み込み、CTCAEのアルゴリズムにて重症度を判定し、表示・通知を行う。

【結果】
1.当院の臨床検査コードをLOINCコードへマッピングし、結果を公開した。2.システム開発用に必要なデモデータ作成のため、SS-MIX実データの匿名化プログラムを作成した。3.SDTM出力モジュールの実装を行い、モジュールの機能としてLOINCコード付与、年齢・月齢を考慮した臨床検査上限・下限値の導出、標準単位での検査値・上限・下限値の導出し、対応するSDTMドメインの変数にマッピングする実装を行った。4.SDTMデータベースならびにそれを取得するAPIサーバの実装を行った。5.安全性情報管理システムにAPIを実装し、重症度グレード付き検査値の時系列表示機能および有害事象発生のEメール通知機能を実装した。ローカル環境で稼働することを確認し、今年度中に医師主導治験にて試験運用を開始予定。