Japan Association for Medical Informatics

[3-F-3-OP24-4] 造血器腫瘍領域における臨床ゲノム情報データストレージの開発におけるCDISC標準の利活用

山本 松雄, 近藤 修平, 堀部 敬三, 齋藤 俊樹 (国立病院機構名古屋医療センター)

【背景】

次世代シーケンス由来のゲノムデータは情報量が多く、通常の臨床検査結果と比較すると診断や適切な治療内容など、結果の臨床的意義を体系化・カテゴライズするのが圧倒的に困難である。そのため「ゲノム情報」と「臨床情報」が紐付いた状態で大量に蓄積されたデータベースに検査した患者さんのゲノムデータ等を照合し、臨床的意義を導き出すことが必要である。一方、複数の臨床試験由来のデータをまとめて検索・抽出するには臨床情報の標準化が必要である。

【目的】

詳細なゲノム情報とが紐付いた状態で格納できるデータベースを構築する上で、臨床情報をCDISC標準に変換する

【方法】

CDISC SDTM形式を利用し、SDTM実装ガイド(3.2版)に則ったマッピングを行う。

【結果】

2試験、約800症例分のデータをマッピングしたところ、SDTM実装ガイドでは不十分でより詳細な仕様が必要であった。仕様書を作成し、以下に公開した。

https://www.nnh.go.jp/crc/departments/information_system_research/

また問題点として次のことが明らかになった。

再発イベントは、その試験のプロトコールに依存して、DSドメイン(Dispotion)やCEドメイン(Clinical Events)に格納されるが、データをまとめて検索・抽出するにはいずれかの単一ドメインにマッピングする必要があり、データベースでは、CEドメインへマッピングすることを仕様とした。

すでにCDISC標準を利用せずに完了した試験については、CDISC SDTM形式へのマッピングが必要となり、多くのリソースを費やした。また蓄積されたデータベースのBIツールを利用したデータの可視化や即時的な解析を可能とした。