一般社団法人 日本医療情報学会

[3-J-1-OP18-2] 緊急指示の効果的な通知方法についての検討

粂川 雅子1, 下村 修2, 村上 裕一2, 堀 謙太2, 平松 治彦3, 竹村 匡正1 (1.兵庫県立大学 応用情報科学研究科, 2.兵庫医科大学, 3.国立循環器病研究センター)

【背景】兵庫医科大学病院では、電子カルテの緊急指示を院内独自のテキストメッセージ交換システムを利用して、スマートフォンに通知するシステムを構築した。通知方法についてはリアルタイム通知を行っているが、ログを分析したところ、同一患者に連続して複数指示が通知されていることが確認された。電子カルテでは複数オーダを一度に発行することが可能であり、看護師はその指示についてまとめて確認することになる。本研究では、このような指示をひとつの指示としてまとめて通知することで、より効果的な通知が行われるのではないかという仮説を立て、検証した。【目的】緊急指示の通知において、一定時間に同一患者に出される指示をまとめて通知する方法がリアルタイムの通知に比べてより効果的な通知が行えるかを検証する。【方法】2017年5月15日~31日までの、電子カルテから緊急指示システムに送信されるログから病棟名、通知時間、患者ID、指示項目を抽出し、通知件数と通知のパターンについて分析した。その結果で得られた同一患者に複数指示が連続して出された患者の指示について、1分単位でまとめた場合の指示件数について検証した。対象病棟は電子カルテシステムで指示受けをする全病棟の指示とした。【結果と考察】
期間中に抽出された指示件数は61291件であった。同一患者に対し、連続して短時間に複数オーダがあるケースについて、複数指示が1分以内に出された指示をまとめると指示件数は25209件となった。具体的な例では、ある患者に1時間に出された指示43件を1分以内に出された指示をまとめて通知すると6件となり、十分に効果的な通知が可能である。通知間隔については医師が一度に出す指示をシステムでは判別できないため、リアルタイム性も考慮した上で検討をする必要がある。今後はこの方法の効果について現場での評価も合わせて検討していく予定である。