【背景】現在、日本における医療の情報化とともに、医療技術も発展し、より多くの専門知識が必要とされている。それらの専門知識を得るために、看護師が行う情報収集には、World Wide Web(以下、Web)上の情報、新聞、雑誌、書籍、辞書、公的資料など様々な方法が存在する。一般的にWebの情報は他の媒体に比べ、誰でもWebページを作成できるため、専門性が乏しいとされている。しかし、Webは24時間いつでも利用することができ、情報が得られやすいという点で他の媒体より優れており、看護師が必要とする情報においても、Webの活用は求められている。そこで、Webページにおいて専門知識が得られるかどうかの分析が必要である。
【目的】本稿においては現状の看護の専門知識に関するWebページの分析を目的とした。
【方法】検索エンジンにおいて看護用語（60単語）を用いて検索を行い、各上位100ページからURLを収集し、ドメイン分析、形態素解析による単語頻度解析を行った。
【結果】看護用語検索で1297種類のドメインが得られ、転職関連サイト、質問サイト、ブログが多い傾向がみられた。転職関連サイトにおいては項目ごとにまとめられ、看護の専門知識が得られるWebページが多い反面、Wikipediaにおいては看護の専門知識が少ないことが示された。また、質問サイトやブログにおいて、専門知識が得られるWebページが少ない傾向が示され、医療単語数の少ないWebページが多い傾向がみられた。
【考察】これらの結果を元に、看護に関する専門知識が得られるWebページの評価に繋げられると考えられる。しかし、看護に関するWebページは無数に存在しており、人の目でそれらを評価することには限界がある。そのため、今後は自動判定する方法を検討していく必要があると考えられる。