一般社団法人 日本医療情報学会

[3-J-2-CS5-2] 現場で求められるのは「ビッグデータ」よりも「孫の手」

大原 昶浩 (大阪府済生会富田林病院 医療情報課)

『ビッグデータ』
今日、この言葉が様々な場所で聞こえ、活用するべく日夜奮闘している方々がいらっしゃいます。もちろん、ビッグデータの有用性は疑うまでもなく、今後も様々な分野で使用されるべきデータです。ですが、一つの病院の一つの現場で見た場合、この『ビッグデータ』はどこまで有用なのでしょうか。実現場で一番求められるのは『スモールデータ』だったりしませんか。
電子カルテ、医事システム、部門システム。院内にはたくさんのシステムがあり、各システムには帳票出力などの機能が備わっております。その機能を利用して必要なデータが抽出できるようになっています。ただ、この出力機能「痒い所に手が届かない」ことが多いと思いませんか。
・入退院患者のリストは出るけど、ここに紹介先の診療所名が付けてほしい。
・未収金一覧のリストは出るけど、ここに診療科別の最終来院日を付けてほしい。
・使用薬品一覧のリストは出るけど、ここに薬価を付けてほしい。
などなど、各病院の担当者・方針が異なる以上、求めるデータも病院ごとに異なります。当然、各システムの標準機能では、賄いきれない項目は多々あります。
当院では、この「痒い所に手が届かない」データを利用して、担当者が求める『孫の手(ツール)』を作成しております。現場で求められる『スモールデータ』。この要望に応える『孫の手』を実例を交えて紹介させて頂きます。