Japan Association for Medical Informatics

[3-L-2-PP7-5] EUCシステム運用体制の整備と今後の課題

朝田 委津子, 玉置 真悟, 山下 暁士, 小林 大介, 白鳥 義宗 (名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター)

【背景・目的】名古屋大学医学部附属病院(以下「当院」)では、市販データベースソフトウェアの導入によるエンドユーザーコンピューティング(以下「EUC」)の基盤を整備し、これまでエンドユーザーが作成するアプリケーション(以下「アプリ」)の運用が行われてきた。しかし、平成30年1月に第7次病院総合情報システムへの移行予定に伴い行った事前調査で、最新の医療情報システムに関係する法令やガイドライン等に照らし合わせて疑義のあるアプリや、人事異動等により管理者がいないアプリが散見される等の課題が判明した。そこで、これらの解決への取り組み事例と、残った課題に対しての対応について考察する。
【方法】まず内部規程の整備として、EUCシステムの管理体制やアプリに関する運用管理事項を定めた管理運用要項を新規に制定し、病院としてのEUCシステムの方向性を定義した。制定にあたっては、法務、知的財産に関する部署や当院の職員である弁護士に助言を求めた。
 次に管理運用体制の整備として、運用責任者及び管理者の選任を各部署に依頼すると共に、両者を構成員とするユーザーメイドシステム管理専門委員会を立ち上げた。委員会に関する内部規程には、委員会及び委員の役割や責務等を定義することで、前述の管理運用要項と合わせ、運用管理事項が遵守されているか監視及び審査する体制を構築した。
【結果】内部規程や管理運用体制の整備を行ったことにより、アプリの管理体制を適正化することができ、またアプリの新規作成や更新における変更管理を一元的に行うことができる等の効果が見られた。
【考察・まとめ】今後、第7次病院総合情報システムへの移行に向けて、登録されている全てのアプリを対象とした審査を行う予定であるが、内部規程で定めた申請手順の周知及び申請時のセルフチェックの導入や、審査案件の一時的な増加に伴う審査体制の強化が課題である。