Japan Association for Medical Informatics

[3-L-3-PP10-1] 病院内での動的な位置情報に向けた補完方法の検討

山下 芳範1, 大垣内 多徳1, 吉野 孝博1, 米沢 由紀1, 松田 友子1, 大北 美恵子1, 山本 直行2 (1.福井大学, 2.株式会社コヴィア)

目的
これまでに、院内におけるスマートデバイスの活用の中で、位置情報が利用できる環境を整備してきた。
これまでからも、看護師の動線調査のために、動的な位置情報を得るための試験評価も行ってきている。ベットサイド作業の測定のために補助ビーコンの利用などで精度確保してきたが、今後の容易な運用という面では課題である。
本院では、Bluetooth,ZigBee,GPSの電波環境を整備してきたが、今後のスマートデバイスによる動的な運用を実用的に行うために、電波以外の補完方法の併用を検討した。

方法
位置情報の利用のためにIoT環境として、屋内GPS・Bluetooth・ZigBeeの電波環境を整備してきた。
すでに、病室・廊下・ナースステーション等のエリア毎にIoTゲートウエイの固定装置を設置しており、これらの電波を利用することで位置情報を得ることが可能である。
その中で看護師の動線を調査する方法として、この環境を利用しているが、これまでからも、動的な位置を提供することが課題となっている。
そこで、主に利用するスマートデバイスをターゲットとして、動的な位置の補完方法を検討した。
補完補法としては、スマートデバイスが装備可能な、ジャイロセンサー及び地磁気・方位センサーとの組み合わせで試験を行った。

結果
電波利用だけでも、看護師のベッド作業の確認という範囲での位置測位としては十分な精度が得られているが、電波変動の影響で1m程度の誤差となる。
GPSについては、測位時間が必要となるため、高速な移動には不向きではあるが、認証されている基準点としては利用可能である。
人が動き回る状態での測位の場合、電波変動も含めての測定誤差となるので、ビーコンの増加などが必要となるが、これを補完する方法としては、ジャイロセンサーや地磁気センサーの併用により実現可能となった。
しかしながら、これらは動的な動きに対応するので、静的な場合には別の検討が必要となる。