Japan Association for Medical Informatics

[3-L-4-PP11-2] 外科手術台帳の移行時の問題点と新機能実装による業務削減の成果について

出雲 渉, 平田 慎 (みやぎ県南中核病院)

『経緯』
当院の外科ではデータベースソフトウェアで作成された外科手術台帳に医師が入力を行い、台帳から手術記録用紙を印刷、術式を書込み、指導医が確認、サイン後に医師事務補助作業者が統合画像管理システムに項目を入力しスキャナ取込を行い、電子カルテ上から外科手術記録を参照する運用を行っていた。使用していたサーバーの老朽化に伴い、ソフトウェアのバージョンアップを行い、専用サーバーから他のシステムが稼働しているサーバーでの稼働と、クライアント側のライセンス数も大幅に減らすことが決まった。
『目的』
クライアントソフトがインストールされていない端末向けにブラウザ上での動作可能を目指した。また、バーコード印字機能、手術記録取込状況の管理機能などを追加し、運用の改善を目指した。
『問題点』
複数のファイルで構成された旧外科手術台帳を、ライセンス数削減のため1つのファイルに統合を行う必要性があり、また一部機能が同じサーバー上で稼働している他システムと競合を起こすなどの不具合などが判明し、大幅に移行が遅れた。
『方法』
機能と稼働数を限定し、新外科手術記録台帳の運用を開始した。使用している外科医師たちと担当者で定例のミーティングを行い不具合や改善点などを洗い出し、修正を行った。時間はかかったが、他システムとの競合問題を解決し、制限されていた機能も稼働可能となった。
『結果』
ブラウザ上での完全動作や各種システムとの連動が可能となった。また、バーコードによる自動取込と取込管理機能で医師事務補助者の業務削減の目標達成も果たした。
『考察』
当初は難航したデータベースの更新だったが、外科医師たちの協力と理解もあり、担当者の柔軟な対応が可能となり、段階的に障害解決と機能実装が行えた。そのことが目標達成の最大要因であると考えられる。