Japan Association for Medical Informatics

[4-A-2-PS18-4] 看護の専門性を基盤とするケアマスタの開発とその活用
- 多職種連携のための記録に利用される看護用語のあり方 -

前田 直美 (一般財団法人 医療情報システム開発センター)

日本の医療提供体制は、人口構造の変化に対応するため、病院完結型から地域完結型にパラダイムシフトし、これに対応すべく地域包括ケアシステムの構築が強力に推し進められている。これに伴い、これまで医療機関内で積極的に取り組まれてきたチーム医療は、病院外の多職種も含んだ多様な職種が連携する“多職種連携”が求められている。その中で看護師には、地域の保健・医療・福祉に関わる多職種と連携し協働していく要となる役割が求められており、看護記録は情報共有の要になると思われる。
医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)は、厚生労働省の委託を受け、看護実践用語標準マスター(以下「標準マスター」という)の開発及び維持管理を行っている。標準マスターは、看護実践現場で実際に使用されている用語を収集、整理した用語集であり「看護行為編」と「看護観察編」で構成されている。看護行為編は、看護計画の具体的なケア(看護行為)を示す基本的な用語であり、在宅領域でも利用できる用語も収載している。したがって、看護師の経験年数、看護提供環境の違う場合等であっても、どんな看護を行ったか共通理解し易い用語集である。標準マスターは、平成28年3月に保健医療情報分野の標準規格:HS024として認められ、同省の医政局長・政策統括官通知では「各種施策や補助事業等においては、厚生労働省標準規格の実装を踏まえたものとする」とされている。
本シンポジウムでは、標準マスターと本WGが開発中のケアマスターとのマッチング状況について説明し、多職種連携のための記録に利用される看護用語のあり方について、皆さんと共に考えたい。