Japan Association for Medical Informatics

[4-B-1-JS7-5] 退院時要約の標準化:技術側からの対応

豊田 建 (株式会社HCI)

退院時要約の重要性は以前から指摘され、その標準化も望まれてきた。しかしながら、退院時要約に含むべき内容を整理した段階で、臨床の現場からは、現在の勤務状況の中で、それだけの内容を記述することは、時間的に不可能であるとの反対意見が出され、なかなか標準化を進めることができなかった。
しかしながら、電子カルテシステムが普及し、退院時要約の内容の多くが電子カルテシステムの中に記載されている状況から、その内容を自動的に取り組むことができれば、医師の負担が大幅に軽減し、退院時要約の標準化が可能になると考えられる。
今回の退院時要約の標準規格は、HL7 CDAを基本として作成するとともに、電子カルテシステムからの取り込みについても配慮している。
但し、電子カルテシステムから取り組むためには、電子カルテシステムに記述する際に、あらかじめ退院時要約への記述を考慮して記載試案ければならない。そのためには必要に応じて専用のテンプレートの使用などが求められる。
本講演では、現在進められている退院時要約のHL7 CDAによる規格案を紹介するとともに、退院時要約を実際に運用するために、電子カルテシステムに求められる機能について、具体的に紹介し、その実用化に向けて討議されることを期待している。