Japan Association for Medical Informatics

[4-E-1-PS16-2] 日本・シンガポール・中国における在宅医療・遠隔医療を通じて見えてきた医療情報の利活用について

武藤 真祐 (医療法人社団鉄祐会)

2010年に東京都に祐ホームクリニックを設立して以来、当院では在宅医療の現場や地域包括ケアシステムの中でICTを利用してきた。現在1300名の患者へ訪問医療を提供しているがICTシステムなしには不可能である。また、宮城県石巻市では関係事業者の約9割が参加する情報連携システムを構築し、また医師会事業へ引き継ぐなど現地化も進めてきた。2015年にはシンガポールにおいて在宅医療事業とICTシステム開発事業を開始し、同国の病院・高齢者施設、また上海の施設への導入を行っている。これらの経験を通じてどのように医療情報を利活用しているか紹介したい。
また、政府が2017年6月に発表した未来投資戦略では、「かかりつけ医による対面診療と組み合わせた遠隔診療により、効果的・効率的な医療の促進」することが提唱され、来年の診療報酬改定でも一つのトピックスである。オンライン医療が普及するためには、医療現場の課題を解決し、患者の利便性だけでなく、医師にとっても有用で、かつアウトカムの向上や医療の削減につながる三方よしの仕組みにしていく必要がある。我々は福岡市で医師会、市とともに「ICTを用いたかかりつけ医強化推進事業」を開始し、実証を通じて効果検証を進めている。この結果も報告したい。