[4-G-1-JS9-2] Diabetic Kidney Diseaseの大規模データベース構築
糖尿病に伴う腎障害は透析療法導入における原疾患の1位を占めており、その現状把握と対策の確立は喫緊の課題である。これまで糖尿病腎症と定義されてきた腎障害の古典的な経過は、糖尿病発症以降、微量アルブミン尿が出現、顕性蛋白尿となり、ネフローゼとなるとともにGFRが低下し、末期腎不全に至るというものである。一方で、糖尿病を原疾患としていても、アルブミン尿に比してGFRの低下が先行して生じる患者が増加してきている。これは糖尿病治療の向上に伴い患者の予後が改善し、腎機能に対する糖尿病による代謝性の影響に加え、加齢や動脈硬化など様々な要因が加わった複雑な病態を呈しているものであり、糖尿病性腎臓病Diabetic Kidney Diseaseと言われる。日本腎臓学会と日本糖尿病学会は、本邦でのDiabetic Kidney Diseaseの現状把握と対策の確立のため、両学会理事長の指導の下、各施設の持つ既存のコホートを統合してレトロスペクティブな解析を行うとともに、両学会のデータベースである J-CKD-DB と J-DREAMSの突合を行ってその解析を行うこととし、現在取り組みを行っている。