一般社団法人 日本医療情報学会

[4-H-1-PS17-1] PPIの入出力についての課題研究会検討報告

栗原 幸男1, 石田 博2, 木村 映善3, 近藤 博史4, 島井 健一郎5, 田中 武志6, 中島 典昭7, 石川 澄8, 合地 明9, 大原 通宏10, 清水 健11, 高井 康平12 (1.高知大学医学部看護学科, 2.山口大学大学院医学系研究科, 3.愛媛大学大学院医学研究科, 4.鳥取大学医学部附属病院, 5.千葉大学医学部附属病院, 6.広島大学病院, 7.高知大学医学部附属医学情報センター, 8.社会医療法人社団沼南会 沼隈病院, 9.井原市立井原市民病院, 10.日本電気株式会社, 11.富士通株式会社, 12.日本アイ・ビー・エム株式会社)

【背景】患者プロファイル情報基盤研究会では、的確な医療の提供のためには、現在の病状に繋がる生活背景、病歴およびアレルギー・身体障害等のリスク情報を医療者が容易に取得できる情報基盤が必要であると考え、標準的な患者プロファイル情報(PPI)項目を提案した(暫定版)。暫定版PPIデータ項目の整備状況を約60施設で調査した。その調査結果からは、半数以上の施設で整備されているPPI項目は調査項目の4割弱の約90項目であることが分かった。また、収集対象のPPI項目の登録率を3大学病院で調査したところ、入院患者でさえ半数以上の患者のデータが登録されている項目は30%程度しかないことが分かった。【目的】この状況の改善のために、PPIデータの収集・利用のし易さを考慮して、研究者等が提案した暫定標準PPI項目を見直すと共に、実際の病院情報システムにおける情報収集と利用の仕方について検討を行った。【方法】暫定標準PPI項目の見直し方としては、PPIの整備状況調査結果、情報の階層構造(粒度)、既存の標準規格等を考慮し、実用性と理想とを調和させること意識した。PPIのデータ収集と利用については、本研究会に参加している施設の各病院情報システムでの画面展開においてPPIデータの入出力にどのような特徴と問題点があるかを調べることで、PPIデータの入出力の改善を検討した。【結果】暫定標準PPI項目の見直しは現在進行中であり、ワークショップの際に見直し結果を報告する。PPIデータの入出力については、PPIデータ登録画面が診療フロー上に乗っておらず、登録・参照とも意識的にPPIデータ登録画面へ行かないとできない状況にあった。【考察】PPIデータを充実させることは忙しい日常診療の中で容易でないが、PPI項目の標準化と地域での共有および自動的な収集・呈示とを組み合わせることで可能と考える。