Japan Association for Medical Informatics

[4-H-1-PS17-2] 患者プロファイル情報の標準化の方向性

近藤 博史 (鳥取大学医学部附属病院 医療情報部)

JAMI課題研究会である「患者プロファイル情報基盤研究会」では、過去3年間の取組で患者の基本情報、生活背景情報およびアレルギー等の身体特性情報からなる患者プロファイル情報(PPI)の標準的なデータ構成が見えてきたが、必ずしも十分に入力され使われているのものではなかった。そこで今回、どう入力し、どう見せ、活用するか具体的に議論することになった。しかし、標準化には入力のモチベーションは活用に依存するので、活用から考えることにした。活用するに不十分に入力されていないのではないか、例えば、アレルギー情報は日本の電子カルテではテキストデータで自由に記載されているものが多い。①種類・分類では薬剤、食品、装飾品、家具壁材などが必要であり、②具体的名称では薬剤は昨今のジェネリック薬の使用からは、できる限りHOTコードが必要である。そのためには選択式の入力が必須である。③反応では、アナフィラキシー・ショック、喘息発作、蕁麻疹、肝機能異常、体調不良などどのようになるのか知りたい。④正確性では医師の経験、皮内等テスト、患者申告の別。⑤発症日時場所があれば、他施設のデータで合致するものが判明する。こうすれば利用が見込まれないだろうか。食事オーダでは①摂取カロリー、②常食、塩分や蛋白等の制限、あるいは治療食の別。③咀嚼・嚥下、内服薬からの食物制限事項、④食物アレルギー、⑤嗜好など、このような必要用件を整理し、構造化することにより使えるものとして提案したい。現在の地域医療連携ではSS-MIX2に包含することにより、利用可能性が明確になる。そのためにはオーダ系のHL7の空き欄の確認、なければXML拡張ファイルにしてDBとの連携を可能にする。そうすれば、各ベンダー・システムでのデータベースに構築され、退院時サマリや問診システムなど各病院の運用、入力者に合わせた入力画面の作成が望めると考える。