Japan Association for Medical Informatics

[LS-14] 医療安全の観点から考えた医療情報システムの検討

寺岡 雅恵 (大阪府済生会吹田病院)

昨今、電子カルテの普及が進んでおり、電算化の利点が大きいことを反映している。
当院でも、今年5月に電子カルテの更新を期に、医療安全の観点から、情報を効率良く収集する為のシステム検討を行った。
 今回、その中から入院患者のバイタルデータ4種(血糖値・血圧・体温・酸素飽和度)のデータを電子カルテに取り込むシステム(テルモ社製HRジョイントシステム)にインスリン注射指示のシステムを備えた血糖インスリン管理システム(富士通社製)を連動させたシステムの導入について述べる。
 従来のバイタル測定は看護師がベッドサイドにパソコンを持参していたが、用紙との併用となっておりタイムリーに入力出来ていない時があった。特に血糖値に関しては、紙のみの運用となっていた為、測定値入力までのタイムラグ・未記入・記入間違いなどがあった。
 今回導入したバイタルデータ取り込みシステムは各機器にあるNFC機能を介して電子カルテへ転送されるため,読み取り間違い,転記間違いが回避される。さらに確実に記載された血糖値と血糖インスリン管理システムの連動により、投与量の計算、実施管理がされるためインシデントが回避されるようになった。
 バイタルデータ取り込みシステムと血糖インスリン管理システムの運用による効果を継続・検証し今後の医療安全の取り込みに情報管理を活かした業務改善を図っていく。