一般社団法人 日本医療情報学会

[4-I-1-CS8-2] 一次医療圏におけるIT・ウェラブル端末の活用

多田 耕三1,2 (1.株式会社グリーンメディック, 2.一般社団法人 豊中市薬剤師会)

我が国の早急の課題に医療費の増大があることは皆さん承知の通りです。41兆5000億円の医療費の適正化や高齢者のポリファーマシィーによる相互作用や副作用の問題や服用忘れ等による処方薬の残薬の問題、また一次医療圏での複数受診による薬剤管理の複雑化、医療と介護と生活提案の実行である地域包括ケアの情報管理の難しさ、今後起こるであろう予防医療や未病に関する医療情報の管理など。今までの薬局業務の価値観での延長では解決しない事がはっきりしてると思います。
地域プライマリーでの役割であるグリーンメディック薬局ではこの問題解決にITやウェラブルを使用して問題解決をしています。
豊中市では地域包括ケアの実践のために行政としてICTの採用が決定しました。そのICTに豊中市薬剤師会が採用する電子お薬手帳をデフォルトで接続する事で服用情報のデータ化と一元管理を可能としました。また薬局においてはクラウドサーバ型の薬歴システムの採用により人と場所によるネガティブを払拭し、独自のアプリを作成し会員登録した方に検体測定室で自己採血して測定したデータやウェラブルであるFitbitで得られたヘルスケアデータをアプリを連携することでデータの可視化を実行しました。また処方された医薬品と患者データをITでマイニングすることで服薬指導時の食事や生活指導に特化した文章提供を可能とし個々の薬剤師間の格差を是正しました。2025年に向けてますます多様化された医療情報が増大するなか、プライマリー領域における薬局の役割をITやウェラブルを利用することでの事例を紹介させて頂きます。