一般社団法人 日本医療情報学会

[LS-15] 離島での調剤情報共有の取組とデータ活用

山口 典枝1, 前田 隆浩2 (1.メディカルアイ株式会社, 2.長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科)

ICTを活用した医療連携が進む中、長崎県五島市では市内全ての調剤薬局をICTでつなぎ、調剤情報を一元管理するとともに二次利用に向けたシステムを構築した。各薬局でレセプトコンピュータに入力された処方データ(NSIPs®形式)は、自動的にクラウドサーバーへアップロードされて保存・蓄積される。そして、患者の同意が得られた場合に限り、各薬局の閲覧専用PCで調剤情報を閲覧することが可能となり、蓄積されている過去情報と突き合わせることで自動的に重複や相互作用等がチェックされ、服薬指導や疑義照会等に利用される。さらに、本システムを活用し、医療経済学的効果の検証や予防医療への応用等をテーマに、自治体と研究者の協働による二次利用の取組が進んでいる。医療情報の有効活用によって、効果的・効率的な地域医療の提供に貢献できる可能性があり、さらに、多面的に活用することで地域全体の健康増進に繋がることが期待される。