Japan Association for Medical Informatics

[4-L-1-PP15-1] 福島県県民健康調査妊産婦調査に関するオンライン調査の取り組み

中野 裕紀1,2, 後藤 あや3, 石井 佳世子1, 藤森 敬也1,4, 安村 誠司1,5 (1.福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター, 2.福島県立医科大学医学部疫学講座, 3.福島県立医科大学総合科学教育研究センター, 4.福島県立医科大学医学部産科・婦人科学講座, 5.福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座)

【背景と目的】
福島県立医科大学では、福島県より委託を受け、県民の継続的な健康管理の取り組みの一つとして、平成23年度より県民健康調査「妊産婦に関する調査」を実施している。平成28年度調査からは、回答方法として紙調査票に加えて、モバイル端末やPCを対象としたオンライン調査を実施した。オンライン調査が回答率と回答精度の向上に影響を与えたか、紙調査票とオンライン調査での回答者の属性等ついて分析することで、回答が容易なオンライン調査のための改良につなげることを目的とした。
【方法】
紙調査票回答者とオンライン調査回答者で、年齢、初産経産などの回答者属性の違い、回答内容の特徴、未回答及び未記入の割合、オンライン調査回答者での設問による回答中止の割合などの集計を行った。
【結果】
平成28年度調査における対象者は14,132人。うち、回答者数は6,069人(回答率42.9%)であった(平成29年4月30日現在)。回答者のうち紙調査票の回答者数は5,094人で、全回答者に対する割合は84.0%であり、平均年齢は31.3歳であった。オンラインでの回答者数は975人で、全回答者に対する割合は16.1%であり、平均年齢は31.0歳であった。オンライン回答者の回答に用いた媒体の内訳は、PC36.4%、iOS33.8%、Android29.7%であった。オンライン調査においての途中中断は母子手帳の確認が必要になる設問であった。
【考察】
紙とオンライン回答者では、過去に本調査に回答した回答者においては、オンライン調査よりも紙調査票での回答をする者が多かった。オンライン回答において回答中断が見られた設問でも、紙調査票での回答では欠損や未記入の割合が低いことから、オンライン調査での設問の提示方法及び選択方法が回答中断の原因となったことが考えられることから、より回答しやすいインターフェースへの改良につなげたい。