Japan Association for Medical Informatics

[4-L-1-PP16-2] 教育病院老年内科病棟における医学略語の共有状況について

大西 丈二1, 恵川 綾子2, 柴田 篤志3, 田中 文彦4, 渡邊 雄貴5, 粕田 剛資6, 葛谷 雅文1 (1.名古屋大学医学部附属病院老年内科, 2.名古屋大学医学部附属病院看護部, 3.名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション部, 4.名古屋大学医学部附属病院栄養管理部, 5.名古屋大学医学部附属病院薬剤部, 6.名古屋大学医学部附属病院地域連携・患者相談センター)

目的:医学略語に対するコメディカルの理解状況を把握する。方法:医学略語は日本老年医学会発行の用語集のほか、名古屋大学医学部附属病院老年内科の医師記録、および主要書籍で用いられているものを収集した上で、そのうち代表的な98語を選び、43名のコメディカル(看護師29名、理学療法士 3名、管理栄養士 3名、社会福祉士 5名、薬剤師 3名)を対象に、無記名で自記式調査票を用いて理解度を調べた。理解度は「正確な言葉と意味を知っている」「正確な言葉はわからないが意味を知っている」「意味もわからない」のうち1つ選択するものとした。結果:ADL (activities of daily living) 、QOL(quality of life)等が少なくとも意味は100%知られていたのに対し、CDT(Clock Drawing test)、TUG(timed up and go test)等は意味が知られているのが0%とまったく共有されていなかった。看護師群はその他の群に比べ、CGA (comprehensive geriatric assessment, p < 0.001)の他はTIA (transient ischemic attack, p = 0.001)、Af (Atrial fibrillation, p = 0.001)、NPPV (non-invasive positive pressure ventilation, p = 0.001)等、疾患特異的な語で有意に多く理解されていた。結論:電子カルテの普及拡大に合わせ、医学用語の標準化が進められているところであるが、医学略語は誤解、誤読の可能性があり、適切な使用が求められている。特に高齢患者においては多職種が患者と関わることが多いため、理解が共有され、誤解の可能性を最小とした医学略語の使用が求められる。