Japan Association for Medical Informatics

[4-L-2-PP17-1] ポリファーマシー改善を目的とした支援システムの開発

坂田 普, 福島 美羽, 菊地 浩哉 (新小山市民病院)

【はじめに】平成28年度の診療報酬改訂で薬剤総合評価調整加算が新設され、病院としてポリファーマシーの改善は早急に対応すべき問題となってきている。しかし、現場でのポリファーマシーへの対応としては、電子カルテや部門システムで支援できるツールもなく、病棟薬剤師の感覚と裁量で医師に提案していた状況であり、業務として標準化できず、進まないのが現状であった。そこで、病棟薬剤師が漏れなく介入するために、ポリファーマシーを改善すべき対象患者の情報を電子カルテ上にスクリーニングできる画面と減薬した際のレポートを作成する支援システムを構築したので報告する。
【方法】スクリーニングは持参薬鑑別内容から6剤以上を内服している患者、服薬アドヒアランスが不良な患者、『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン』の対象薬2600品目を服用している患者を対象とした。尚、データは電子カルテ(ソフトウェアサービ社Newtons2)のSQLServerから取得し、『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン』の対象薬2600品目はマスタ化した。スクリーニング結果は、WebサーバからPHPで電子カルテに表示した。病棟薬剤師は総合診療内科医と主治医と協議し減薬を実施後、Webサーバに減薬内容と今後の注意点を記録し、退院時にレポートとして出力する形式とした。
【結論】入院時に服用していた持参薬すべてに対してスクリーニングをかけていることで病棟薬剤師は、感覚的に実施していたものが改善され漏れなく介入できた。電子カルテ上に表示することでチーム医療としての介入も可能となった。
【考察】ポリファーマシーの改善は入院中の問題だけではなく、退院後の関係施設と共有しなければならない情報といえる。今後の発展として退院時のレポートをPDF化し電子版お薬手帳での情報共有も計画している。