[2-A-1-4] 電子カルテデータを臨床研究に利用する場合の信頼性保証のためのComputerized system validationの方法
電子カルテデータは、その「真正性」、「見読性」および「保存性」の三条件を満たすことを要件とした電子カルテシステムによって「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に基づいた管理運用体制の中で取り扱われている。すなわち、電子カルテシステムというコンピュータとそれを運用する人々で構成されるComputerized system(コンピュータ化されたシステム)によって管理されている。
一般に医薬品・医療機器等の研究開発や製造におけるコンピュータ化されたシステムに対して、薬事行政的な規制に基づくComputerized system validation(CSV)が必須事項となっている。電子カルテシステムの運用に当たってCSVの実施は求められていないが、電子カルテデータの医薬品・医療機器等の安全性評価研究への二次利用や治験におけるEDCシステムとの連携(interoperable)などの検討が活発化している現状を踏まえ、電子カルテシステムについてCSVによる品質保証を試みた。
CSVの達成基準を『電子カルテシステムを運用するためのハードウエアとソフトウエア並びに手順、保守管理及び品質管理の方法が"診療データの真正性を確保した適正な保存と見読性の維持" を保証することを検証し、これを文書とする』とし、電子カルテシステムの①真正性・見読性および保存性を脅かす要因の同定、②設計仕様書等のシステム開発関連ドキュメント類の確認、③運用・保守管理(変更・障害管理を含む)に係る状況の検証等を行った。現在、電子カルテシステムの信頼性を保証するための改善策(品質管理方針の明文化、各種標準業務手順書の整備、システム開発関連ドキュメント類の整理および電子カルテシステムのユーザー要求仕様書の再整備)の立案とその対応を実施中であり、そこで明らかになった課題等について報告する。
一般に医薬品・医療機器等の研究開発や製造におけるコンピュータ化されたシステムに対して、薬事行政的な規制に基づくComputerized system validation(CSV)が必須事項となっている。電子カルテシステムの運用に当たってCSVの実施は求められていないが、電子カルテデータの医薬品・医療機器等の安全性評価研究への二次利用や治験におけるEDCシステムとの連携(interoperable)などの検討が活発化している現状を踏まえ、電子カルテシステムについてCSVによる品質保証を試みた。
CSVの達成基準を『電子カルテシステムを運用するためのハードウエアとソフトウエア並びに手順、保守管理及び品質管理の方法が"診療データの真正性を確保した適正な保存と見読性の維持" を保証することを検証し、これを文書とする』とし、電子カルテシステムの①真正性・見読性および保存性を脅かす要因の同定、②設計仕様書等のシステム開発関連ドキュメント類の確認、③運用・保守管理(変更・障害管理を含む)に係る状況の検証等を行った。現在、電子カルテシステムの信頼性を保証するための改善策(品質管理方針の明文化、各種標準業務手順書の整備、システム開発関連ドキュメント類の整理および電子カルテシステムのユーザー要求仕様書の再整備)の立案とその対応を実施中であり、そこで明らかになった課題等について報告する。