一般社団法人 日本医療情報学会

[2-A-4-2] ISO/TC215 WG1「アーキテクチャ、フレームワークおよびモデル」の動向

岡田 美保子 (医療データ活用基盤整備機構)

 ISO/TC215 WG1「アーキテクチャ、フレームワークおよびモデル(Architecture, Frameworks and Models)」は、そのスコープを「ヘルス及び医療提供を支援するため、フレームワーク、アーキテクチャと、それらの要素について、概念的、論理的、機能的要件、プロセスモデル及び情報モデルの標準化をはかる」としている。WG1のタイトルは、1998年の発足時には「保健医療記録とモデリング・コーディネーション」であったが、2004 年に 「WG1: データ・ストラクチャ」と「WG8: EHRのビジネス要件」に分かれ、さらに2013 年の改組でWG8がWG1に統合化され、現在に至っている。これまでに発行されたWG1の規格の例としては、EHR (Electronic Health Record)に係るものを中心に、以下がある。
・ISO/HL7 10781「EHRシステム機能モデル、リリース2」
・ISO/HL7 16527「PHRシステム機能モデル、リリース1」
・ISO 13606 「EHR コミュニケーション、Part 1 - 5」
・ISO 12967「医療情報サービスアーキテクチャ(Health Informatics Service Architecture: HISA)、Part 1 - 3」
・ISO 21667「ヘルス・インディケータ概念フレームワーク」
 ISO規格は5年のサイクルで、レビュー投票がなされることになっており、上記の規格は、発行後に改訂されたもの、また現在、改訂作業中のものがある。
 ここではTC215におけるWG1の位置づけ・役割、主な規格について述べるとともに、新たに審議が始まっている「患者レジストリーに関するクォリティマネジメント要件」等の議論の動向、及び日本としての取り組み等について報告し、考察する。