一般社団法人 日本医療情報学会

[2-B-1-4] テクノロジーに何ができるかー診療ガイドラインと医療の質・QI

澤 智博 (帝京大学 医療情報システム研究センター)

ここ数年、人工知能・機械学習への期待は高く、Gartnerの発表するハイプサイクルにおいても2017年、2018年の2年にわたりピークに位置している。一方で、医療施設が使用する電子カルテ製品は革新的な機能の追加があるとは言い難く、コモディティ化を辿っているとみることもできる。電子カルテ製品の普及は進み続けており、その費用は国民医療費から支払われていると捉えることもできる。国民医療費を費やすという構図の中にあるのであれば、改めて、電子カルテ製品は、医学・医療の課題解決に貢献しているか、という視点で評価する必要がある。
情報技術による医学・医療の課題解決を試みる枠組みの一つに診療ガイドラインのシステム実装の取り組みがある。診療ガイドラインの活用における課題の一つとして、ガイドラインが適用されるべき症例に対して、効果的、効率的、適時に、そして、適用可能例には全例に適用されるシステムを構築することである。ここでのシステムとはITシステムのみを意味するのではなく、医療者の診療ガイドラインの活用スキルやその教育を含めた組織の在り方と仕組みを意味する。近年、診療ガイドラインの活用状況について医療の質指標(QI)によるモニタリングの試みがなされている。これはガイドラインの重要な推奨に基づいて明確に定義された基準の存在により、医療の質指標によってガイドラインの活用度は計測可能とした考え方による。本ワークショップでは、診療ガイドラインに関する最新の話題提供とガイドライン活用度と医療の質やQIについて議論する。