Japan Association for Medical Informatics

[2-C-1-2] 医療情報技師に求められる知識,役割,そして存在意義

光城 元博 (関東医療情報技師会・日立製作所)

 医療情報技師のスキルアップを目指し、情報やノウハウの共有を目的に設立された関東医療情報技師会は、2010年12月の設立から7年半もの間、活動を続けている。
 当会は、勉強会を積極的に行っており、定期開催のものは25回を数える。定期開催以外にも埼玉、群馬、茨城で行ったミニ勉強会や、ネットワーク、統計、上級医療情報技師受験対策のための複数回シリーズの勉強会を加えると、合計40回以上の勉強会を開催した。これらの活動を通じて、学びの場と、交流の機会を創出している。
 さらに北海道、中部など他の医療情報技師会が主催する勉強会への講師派遣や、医療情報学連合大会の交流イベントの運営にかかわることで、各地域の医療情報技師会どうしの交流の活性化にも努めてきた。医療情報学会関東支部との合同勉強会や、医療情報技師育成部会各委員会への委員派遣など、医療情報学会および育成部会との連携強化も進めている。
 これらの活動からみえた、おもな課題を4つ挙げる。1つ目は「勉強会テーマ選定の難しさ」である。医療情報技師の勤務先や職種、経歴は多様であるため、テーマ選びとその幅と深さの設定が難しい。2つ目は「勉強会回数の確保」である。勉強会アンケートを見ると、頻回な開催を望む声があるが、いま以上の世話人の負担増は難しい。講師の調整や会場の確保も大変である。3つ目は「ノウハウ(特に事例報告)の共有への期待」である。勉強会で発表された事例は、会員へ広く共有すべきものが多いが、医療機関、企業の内部事情や、失敗エピソードを含むため、公開方法が難しい。4つ目は「上級医療情報技師の不足」である。当会の運営を担うのは上級医療情報技師であるが、関東地区の上級保有者を把握しておらず、全国の上級認定者数もあまり増えていない。
 これらの課題解決に向けて、各地区の医療情報技師会や医療情報技師育成部会、医療情報学会、関係団体と連携し、共に考える必要がある。