一般社団法人 日本医療情報学会

[2-C-1-4] 医療情報技師として活躍するために必要なこと

橋本 智広 (関西医療情報技師会・大津赤十字病院)

 地域医療構想等の医療政策によって、各医療施設は時代に応じた行動が求められている。この状況下で、医療情報技師は病院経営を意識したシステム導入・更新ができるか、また、適切なデータ利活用により、病院の現状把握と未来を描き導くことができるか、といったことが求められている。
 医療情報技師に求められるニーズは時代とともに拡大にあるといえる。その中で、「現状把握と提案できるスキル」のもと、①正確な情報を収集できる能力、②正確な情報であると判断できる能力、③正確な情報を確実に伝達できる能力を得ることが、同時に自らの存在意義を高めるきっかけになると考えられる。
 医療施設における医療情報技師に焦点を当てると、様々な職種において有資格者が在籍している。業務内容は異なるものの、各々の立場でシステムに関与し、医療情報技師として活躍できるフィールドは広い。例えば、医療情報部門に求められるデータ抽出や分析のニーズは年々増加傾向にあり、データを抽出するにとどまらず、実際に様々な視点で分析した結果を提示する機会が増加している。依頼者が求める結果をどうすれば導くことができるかを考え、ニーズとデータの本質を把握し、適切な分析手法を用いて結果を導く必要がある。
 前述したスキルを習得するためには、「医療情報技師としての自覚」を持った上で、様々な利害関係者、特に医療情報技師同士のコミュニケーションを活性化し、知識向上に努めなければならない。
 また、医療情報技師の存在意義を示すためには、自ら置かれた立場の中で、医療情報技師として活躍しなければならない。そして、「医療情報技師であるからできること」を、施設内のみならず施設外に対してもアピールすることも重要である。各医療施設で医療情報技師が必要不可欠な存在となり、これが将来の新たな職種としての専門性が評価されることを期待したい。