Japan Association for Medical Informatics

[2-C-1-5] 各部門の専門的知識を有した医療情報技師の育成と活躍を目指して

守本 京平 (広島県医療情報技師会・県立広島病院)

 医療情報の企画・運営・管理をベンダーと医療者が協同で医療機関のシステムをより良い形にしていくための人材を育成するという目的で,医療情報技師が誕生して15年が経過する。また医療情報技師を基礎資格とした上級医療情報技師、医用画像情報専門技師の誕生により、全国的に医療情報関連の研究会も増え、研修会が盛んに開催されるようになっている。そうした中で、研究会の1つとして広島県医療情報技師会を設立し,6年目19回の研修会を開催してきた.
 広島県医療情報技師会は,広島圏域の医療情報技師が自主的に集い,互いに研鑽を積み,新たな医療情報技師の育成に資する活動にて,医療の質向上に寄与することを目的としており,それらを実現させるためには,医療に携わる多くの専門分野の方々が集結して取り組むことが重要と考えている.そのための会の運営は多職種に渡る医療情報技師が担うべきと考えて人材の発掘に努めてきた結果、運営組織の環境は整いつつある。そこで,各専門分野の方々が常にお互いの立場と業務を理解し,議論していくことでコミュニケーションスキルを磨き,且つ自らも医療の質向上を担える人材になれるように自己研鑽を促しているが,毎回の研修会の130人前後の多職種の参加者は受け身の人が多く,議論がなかなか進まない問題も抱えている.特に、次代を担うべき若い人達にどのようにして自己研鑽してもらうかが今後の課題である.
 また当会が力を注いでいる新たな医療情報技師の育成についても,認定者は,年々増えているが5年後更新しないという問題もあり,専門家として現場で活躍できる医療情報技師の育成こそが当会の役割であると考えている.
 こうした課題に取り組んでいるが,各専門分野の議論やケーススタディーの蓄積,医療施設ごとのシステム構築内容の共有もまだ進まない状態であることから,課題解決に向け,全国的に活動している団体や学会にて議論することで解決していきたい.