[2-D-1-4] 臨床現場の薬剤師(医薬品情報担当者)から見た薬剤ICT管理の現状と課題
医薬品は適正に使用することで、患者の生命・健康に貢献できる。医薬品を適正使用するためには、適応症、用法用量、薬物相互作用、患者状態(肝機能、腎機能等)等、多数の項目を遵守する必要がある。「To Error Is Human」という言葉もあるように、これらをすべて人の手で確認するには限界があり、現在、多くの施設では情報通信技術(ICT)を活用した処方監査等を行っている。しかしながら、ICTを活用した監査も万能ではなく、現状の情報システムにおいて実施可能なものは限られている。
本発表ではICTを用いた処方監査について、添付文書に記載されている医薬品情報のデータ化の観点から現状の2つ課題について報告する。1つ目は、条件が複雑であり、現行の標準仕様の病院情報システム(HIS)あるいは薬剤部門システムではチェックが困難な事例である。また2つ目として、添付文書の表現自体があいまいであり、データ化の際に解釈が異なる可能性がある例について紹介する。
また、患者・家族・看護師等の与薬実施者との薬剤情報連携において、どのような薬剤が調剤されたのかを正確に伝達することは重要である。調剤される形態については、通常、HISではなく薬剤部門システムにて判定されるため、処方情報と調剤情報は必ずしも一致しない。また標準仕様のHISにおいて、処方オーダは結果情報が部門システムからHISへフィードバックされない数少ないオーダ種別である。そのため、医師が想定している形態とは異なる形態で調剤される場合があり、与薬実施者との情報連携不足が重なることにより過誤事例も報告されている。代表的な事例として賦形情報を取り上げ、課題の整理および解決方法について考察する。
ICTは薬剤情報連携において強力なツールとなるが、その仕様や限界を理解した上で活用することが重要であり、上手く使えるかどうかは、やはり人である。
本発表ではICTを用いた処方監査について、添付文書に記載されている医薬品情報のデータ化の観点から現状の2つ課題について報告する。1つ目は、条件が複雑であり、現行の標準仕様の病院情報システム(HIS)あるいは薬剤部門システムではチェックが困難な事例である。また2つ目として、添付文書の表現自体があいまいであり、データ化の際に解釈が異なる可能性がある例について紹介する。
また、患者・家族・看護師等の与薬実施者との薬剤情報連携において、どのような薬剤が調剤されたのかを正確に伝達することは重要である。調剤される形態については、通常、HISではなく薬剤部門システムにて判定されるため、処方情報と調剤情報は必ずしも一致しない。また標準仕様のHISにおいて、処方オーダは結果情報が部門システムからHISへフィードバックされない数少ないオーダ種別である。そのため、医師が想定している形態とは異なる形態で調剤される場合があり、与薬実施者との情報連携不足が重なることにより過誤事例も報告されている。代表的な事例として賦形情報を取り上げ、課題の整理および解決方法について考察する。
ICTは薬剤情報連携において強力なツールとなるが、その仕様や限界を理解した上で活用することが重要であり、上手く使えるかどうかは、やはり人である。