Japan Association for Medical Informatics

[2-F-3-1] 医療情報技師に期待すること-医育機関の医療情報部教授/部長の立場から-

中川 肇 (富山大学附属病院医療情報部)

 医療情報学会では、医療情報技師育成のコアコンピテンシーを策定している。Health Care、Information Technology、Health Information Systemsの3つである。このセッションでは、著者は大学病院の医療情報部教授・部長という立場から先に挙げた3つのコンピテンシーに基づき、技師は前述の3分野でどのように活躍することが期待されるのか詳細に述べる。
 Information Technologyに関しては、単なるルーチン業務ではなく、HISのみならずネットワーク、データベース、セキュリティに関して新しいアイデアを積極的に提案することで医療情報分野で指導者としてリードしていくことを期待している。
 Health Careに関しては医療・福祉・介護分野の最新知識を吸収するとともに、ヒト、モノ、情報の流れと医療のプロセスを理解することが望まれる。さらに、カルテを理解する能力に基づき医療安全と病院経営改善に資する改善策を提言することを期待している。そのためには多くのデータが入力され分析することが必要である。
 Health Information Systemに関しては、最も重要なコンピテンシーと考えている。医療の特殊性を理解し、情報セキュリティについて一層強固にすることを期待している。さらに、医療情報技師は全国レベル、地域レベルでのさまざまなプロジェクトに積極的に関与をしていただきたい。例えば医療分野における標準化であのためのマスタ整理(例、JLAC10、HOTコードなど)などにも関与して欲しい。また、地域医療連携システムでは他の地域のクリニックでの設定にも関与して欲しい。