Japan Association for Medical Informatics

[2-F-3-4] あたらしい医療インフラとなるオンライン診療に求められる医療情報技師の専門性

園田 愛 (株式会社インテグリティ・ヘルスケア)

 我々の社会には、すべての人々の安心と健やかな生活を願い、医師と患者の協働、そして「人とテクノロジーの融合による健康先進国・日本」に向けた新しい医療システムが必要と考えられる。少子高齢化が進行し、社会保障費が国の財政を大きく圧迫している現状において、現行の医療・介護システムは限界に近づきつつあり、支え手である家族や医療・介護従事者の疲弊も大きな社会問題となっている。すなわち、医療はもっと多様な資源で支えるべきであり、また医療はもっと一人ひとりの生活の中にあるべきである。
 2018年の診療報酬改訂では、従来「入院」「外来」「訪問」の3形態であった医療提供に加え、第4の形態としてオンライン診療が、診療報酬評価として新設された。我々は、2017年に医師と患者をつなぎ、ともに治療に向き合うためのオンライン診療システムを発表し、その後、日本医師会標準レセプトソフトとの連携や、電子カルテメーカとの連携を進めてきた。このプロセスには医療情報技師の活躍があった。
 本シンポジウムでは、これまでの経験を踏まえて、我々が目指す人とテクノロジーの融合により、よりよい医療、そして持続可能な医療システム・社会システムを実現するプロセスと、そこでの医療情報技師人材の活躍について話題提供し、会場の皆さんと情報共有を行いたい。