Japan Association for Medical Informatics

[2-G-3-1] 輸血部門システムを利用した超緊急輸血体制

間 由紀1, 田中 麻衣2, 汐谷 陽子1, 小倉 勉3, 鈴木 浩4, 小林 仁1 (1.東京都立墨東病院検査科, 2.東京都多摩総合医療センター検査科, 3.東京都松沢病院検査科, 4.東京都大塚病院検査科)

【はじめに】当院では、2016年より大量輸血プロトコール(MTP)を導入している。2017年7月からは、患者到着前に血液搬送装置(ATR)を使用して異型適合血であるO型RBC4単位を初療室に運ぶクラスゼロ運用を開始した。今回、輸血部門システム更新に伴いクラスゼロをより安全に行う工夫を構築したので報告する。【使用システム】輸血部門:CLINILAN BT3(A&T)、電子カルテ:EGMAIN-Gx(富士通)【概要】クラスゼロ運用は、日勤帯のみならず当直帯でも同等な対応が必要とされる。当院の当直体制は、検査科36名で運用している。クラスゼロ開始にあたり、輸血専任ではない技師も対応できるよう、簡便な方法を整備した。①使用目的を明確化した製剤名を作成。患者着院前「O型RBC」と「患者同型RBC」の依頼を区別するために、電子カルテの依頼製剤種に「O型RBC」を追加した。同様にクリオプレシピテートについても「AB型クリオ」を追加した。②超緊急輸血のセット化。当院の「クラスゼロ」依頼は(依頼製剤種:単位数)、O型RBC:4単位、患者同型RBC:6単位、患者同型FFP:10単位、AB型クリオ:3単位とした。【まとめ】クラスゼロ導入時は、O型RBCの依頼にはシステム制御がなく、全血液型のRBCを割り当てることが可能なため、割り当て担当技師の注意確認による制御のみだった。新システム(BT3)導入時に、O型RBCの依頼にはO型赤血球製剤以外は割り当てることができないチェックをかけることで、システムでも不適合輸血を防ぐことができるようになった。超緊急輸血は、異型適合血を使用する場合も多い。担当技師が注意して業務に取り組むのは当然だが、システムで不適合輸血を防ぐチェックをすることで、より安全になったと考える。