[2-G-3-3] 検体管理システムと検体検査システムの併用による検体管理
【はじめに】検体検査は緊急性が高いことや、検体放置が測定値の変動要因となることがあるため、検体到着までの管理は重要である。当院ではRFID検体管理情報統括システム(TRIPS)を導入し、容器作成、病棟へ容器払い出し、外来採血室、容器到着の管理を行っている。採血後の経過時間や、容器到着時の過不足を監視することで、検体放置や紛失の早期発見に努めてきたが、その効果は十分とは言えなかった。2018年2月のシステム更新では、より簡便で正確な管理ができるようシステム構築したので報告する。【使用システム】検体管理システム:RFID検体情報統括管理システム、採血システム:採血業務アシストソリューション(テクノメディカ)検体検査システム:CLINILAN GL3(GL3)(A&T)【問題点と改善】外来採血後の経過時間:採血室で準備した採血容器を外来診察室等に払い出す際の、記録を残す機能が無かったため、採血終了として処理していた。そのため経過時間の監視で警告が発せられても、紛失かどうかの把握が困難であった。そこで、新たに払い出し機能を設定し、対応者・払い出し容器を記録するようにした。また、診療室で採血を行う特殊な容器は、採血室での容器確認時にシステム上で注意喚起表示をするようにし、採血室での誤採血を防止した。 到着容器の過不足:依頼の中で到着容器に過不足があった場合、TRIPSの監視モニタに常時表示される。過不足は電話等で関係部署へ問い合わせるが、得られた情報の入力は、簡便さの面から、検査科全体に配置されているGL3で行っていた。その結果、情報が分散し、効率的な監視が行えていなかった。今回、GL3で入力した情報をTRIPSでも表示することで状況を一目で確認可能とした。【まとめ】各システムの情報を共有化し、検体管理システム、検査システムの特性を生かした併用運用を行うことでより効果的な検体管理が可能となった。