Japan Association for Medical Informatics

[2-I-1-1] 医用画像情報専門技師へのアンケートに基づく「他施設画像取り込み時の検査日変更」の実態調査

須藤 優1,7, 今井 康介4,7, 守本 京平1,7, 中上 康次2,7, 戸政 達之3,7, 國重 智之1,7, 好村 尚記5,7, 津久間 秀彦6,7, 田中 武志6,7 (1.県立広島病院, 2.医療法人社団光仁会 梶川病院, 3.医療法人 JR広島病院, 4.地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立舟入市民病院, 5.独立行政法人国立病院機構 呉医療センター中国がんセンター, 6.広島大学病院 医療情報部, 7.広島県医療情報技師会)

【背景】他施設の画像を自施設PACSへ取り込む際に検査日を変更(以下:検査日変更)することは医療安全上問題である。広島県内の医療機関へのアンケート調査(2017年実施)で、検査日変更をしている施設(以下:変更施設)の存在が明らかとなったが、その理由は不明であり調査事例はない。【目的】検査日変更問題解決への第一歩として、変更理由、解決策についての調査を行い、検査日変更の実態を把握する。【方法】医用画像情報専門技師を対象にWEBアンケート実施。配信には医用画像情報専門技師のメーリングリストを利用。[設問](1)変更施設を知っているか?/(2)変更理由は?(既知or推察)/(3)解決策があるか?実践しているか?/(4)効果はあるか?具体的効果は?/(5)していない理由は? 設問のうち(3)の解決策、(4)の具体的効果、(5)は自由記載とし回収後に分類集計した。【結果】回答数は53件で、(1)で「知っている」21件あった。(2)で変更理由(既知)として「医師要望」7件/「施設運用」7件/「ベンダー・システムの問題」2件であった。変更理由(推察)では「施設運用」26件/「ベンダー・システムの問題」3件/「知識の問題」6件であった。(3)で解決策あり34件、うち実践している15件、実践していない19件であった。(4)で効果あり13件、具体的にはその問題について担当者と話し、一定の理解を得られている等の回答があった。(5)では、対策費用の捻出困難/PACS仕様のため変更不可/業界全体で周知すべき等の回答があった。【考察】全国規模で変更施設の存在が明らかになった。解決策として変更施設担当者への啓発・教育は一定の効果はあるものの、根本的解決のためには医師、施設経営者、ベンダーへの啓発・教育が必須と考える。しかし、(5)からそれだけでは不十分であり、さらに学会・その他の関連団体・国を含めた業界全体での対応が必要であると考える。