[2-I-1-1] 医用画像情報専門技師へのアンケートに基づく「他施設画像取り込み時の検査日変更」の実態調査
【背景】他施設の画像を自施設PACSへ取り込む際に検査日を変更(以下:検査日変更)することは医療安全上問題である。広島県内の医療機関へのアンケート調査(2017年実施)で、検査日変更をしている施設(以下:変更施設)の存在が明らかとなったが、その理由は不明であり調査事例はない。【目的】検査日変更問題解決への第一歩として、変更理由、解決策についての調査を行い、検査日変更の実態を把握する。【方法】医用画像情報専門技師を対象にWEBアンケート実施。配信には医用画像情報専門技師のメーリングリストを利用。[設問](1)変更施設を知っているか?/(2)変更理由は?(既知or推察)/(3)解決策があるか?実践しているか?/(4)効果はあるか?具体的効果は?/(5)していない理由は? 設問のうち(3)の解決策、(4)の具体的効果、(5)は自由記載とし回収後に分類集計した。【結果】回答数は53件で、(1)で「知っている」21件あった。(2)で変更理由(既知)として「医師要望」7件/「施設運用」7件/「ベンダー・システムの問題」2件であった。変更理由(推察)では「施設運用」26件/「ベンダー・システムの問題」3件/「知識の問題」6件であった。(3)で解決策あり34件、うち実践している15件、実践していない19件であった。(4)で効果あり13件、具体的にはその問題について担当者と話し、一定の理解を得られている等の回答があった。(5)では、対策費用の捻出困難/PACS仕様のため変更不可/業界全体で周知すべき等の回答があった。【考察】全国規模で変更施設の存在が明らかになった。解決策として変更施設担当者への啓発・教育は一定の効果はあるものの、根本的解決のためには医師、施設経営者、ベンダーへの啓発・教育が必須と考える。しかし、(5)からそれだけでは不十分であり、さらに学会・その他の関連団体・国を含めた業界全体での対応が必要であると考える。