Japan Association for Medical Informatics

[2-I-1-2] JJ1017を用いた画像オーダー重複通知機能の運用経験-画像検査の最適化・効率化を目指して-

青木 陽介1, 児玉 義憲2, 細田 恵3, 藤本 陽平1, 桑原 一也1, 榎本 達治1 (1.大船中央病院, 2.日本事務器株式会社, 3.アイウェイズコンサルティング)

【背景】臨床的理由なく同じ検査を繰り返すことは「過剰医療」と指摘され,国内外問わず問題とされている.一方,限られた時間で電子カルテなどに登録されている多様な情報を的確に把握することは事実上困難な場面も多い.医師が特別意識せずに重複検査を認識できるよう,厚労省標準であるJJ1017を用いて重複を自動判別,通知する仕組みを開発し,2017年5月より運用している.【目的】本機能の1年間の運用状況を把握し,本機能の有用性を考察する.【システム概要】対象検査:外来患者の一般撮影,CT,MRI.期間は過去30日~予約検査(診療科・検査毎に調整可).重複の判断基準:JJ1017の検査種コードと部位コードを利用して「同じ部位+同じ検査種」を検出.重複と判断した場合の動作:オーダー確定時に通知.オーダーを確定するには重複実施の理由の入力が必須(選択式).【方法】稼働開始後1年間のログより,①本機能が重複と判断したオーダー件数,②本機能が警告画面を表示した回数,③警告に対しキャンセルを選択したオーダー件数,④③のうちキャンセル操作後,再度オーダー登録操作を展開し,最終的にオーダーを発行した件数,⑤④の場合の重複実施の理由,について集計した.【結果】①2318件,②2555回.③153件.④84件.⑤多い順に「その他」「新しい重要な臨床的症状の発症」「院内プロトコール」「症状の悪化」.【考察】本機能により,重複検査を医師に意識させ,不要な重複検査の抑制に一定の効果が認められたことから,本機能は有用と考えられる.また,JJ1017を利用することで,重複の判別ロジックおよび運用開始後のメンテナンスが簡便となったことは大きなメリットと考える.キャンセル後に再度登録する行為が多いこと,重複の理由に「その他」が多いことは,運用上の問題と考える.今後,ユーザー評価などを含め,継続して評価を行う.